ゲームアウェアネスプログラム対談Vol.8は、フットサルのプロチーム、ヴォスクオーレ仙台でキャプテンを務める荒牧太郎選手との対談です。ゲームアウェアネスプログラムでの「マインドセット」を通じ、考え方や物事の捉え方が自身の中で明確になった結果、それがどう影響したのかなどについてインタビューしました。

本日の対談:ヴォスクオーレ仙台キャプテン 荒牧太郎

平林:今回は、元フットサル日本代表選手で国内でも数名しか現存しない国際級の「ザ・フィクソ」で、現在はFリーグのヴォスクオーレ仙台でチームキャプテンとして大活躍している荒牧太郎選手との対談です。どうぞよろしくお願いします!

荒牧:よろしくお願いします!

平林:荒牧選手とはもう、なんだかんだ長い付き合いになりますよね。

荒牧:もう何年も前に、一緒に食事をして以来のお付き合いになりますね。
それからいろんな話を聞かせて頂いた事で、定期的にミーティングをするようになりましたし、試合も観に来て頂きましたね。

 

マインドセットで考えが明確に

平林:そしてその後、縁を頂いて以前、荒牧選手が所属していたバルドラール浦安に私も入団する運びとなり、そこで一緒に戦う事になりましたね。
バルドラール浦安で、ゲームアウェアネスプログラムを導入しましたが、一緒に戦ったシーズンの中で、特に自分の中に大きく残ったことなどはありましたか?

荒牧:「タイゾータイム」を通してマインドセットの考え方を学んだことで、自分の中で「気づき」が多かったので、それは大きかったですね。

平林マインドセットの考え方は、エディージャパンでの考え方をより立体的にバージョンアップして行っていたんです。イベント(出来事)にアクション型のマインドセット手法を使って、哲学的なことやポリシー、チーム内での約束事、テクニカルな事までをリンクさせながら選手へ落とし込んでいくことをプログラムとして行いました。
そうすることで「心のスイッチ」を入れ続けることができるようになり、「上手く行っていない時は、上手く行くようにしようぜ」「上手く行っている時は、もっと上手くしようぜ」と考えられるようになっていくんです。それはメンタルの考え方でよくある、「心を落ち着けましょう」とか、「困った時には気持ちをすり替えましょう・置き換えしましょう」というのとはまた違うことなんですよ。

荒牧:タイゾータイムでのマインドセットを通じて、それまで自分の中でモヤモヤしていた事というか、明確にされていなかった事がどんどん明確にされていくのを感じました。言語化された部分というか、自分から人に伝えて行く際に“ふわっ”としていたものが、色んなことを説明してくださったことで「自分が思ってきたことや強みとはこういうことか」というのがすごくはっきりしましたし、ゲームに関する捉え方などもかなり明確になりましたね。
自分は、強いアクションをキワの部分で一歩出せるタイプだと思うので、そういう自分の強さやゲーム中の役割などもすごく明確になりました。

 

反則を恐れず、脅威を持った強いチームへ

平林:荒牧選手と過ごしたシーズンの中で、私がすごく覚えている出来事があって、それはリーグ戦中に荒牧選手がレッドカードをもらった試合のことなんですが、その時私は、「あ、やっぱり起きたか」と思っていたんです。
チームのリーダーがレッドカードをもらったことで、クラブはざわつきますし、監督にはプレッシャーがかかるわけですけど、そういう時こそ一体感や結束が必要で、そこを乗り切る力が試されると考えていました。そのことについて二人で長く話をしましたよね。

荒牧:今は仙台で活動していますが、今シーズンもカードをもらったんです。特に今はキャプテンということもあって、あの時より歯がゆい思いはあるんですが、あの時平林さんとそのことについてたくさん話をして捉え方などを学んだ経験があるおかげで、今では「チャレンジして無かったらレッドカードももらえないでしょ」って思うようになりました。
チャレンジしてないプレーヤーは批判すらされないし、もちろん悪いプレー選択をしたくはないですが、「これも含めてフットボールだから」というような捉え方に転換出来るようになりました。
なので今もし、今シーズンを振り返ってどうだったかを聞かれたとしたら、仙台からの大変な移動も、監督へのストレスも、チームメイトとのフラストレーションもその他の色んないざこざも、「全部フットボールだから」と答えられます。そういうところも全部ひっくるめてフットボールだということです。
重要な試合を外から見ていて出られないもどかしさを感じても、自分はプロのフットボール選手をやっているなと本当に思うようになったんですよ。

平林:その時にも言いましたが、世界中のトップクラブで、一枚もカードを切られず、いつもコンピューターゲームのようにスターティングメンバーが全試合出られるチームの方が気持ち悪いよね、という話をしたと思います。
毎日アクティブで、いつも色んなことが日常で起こり、全員でいつも乗り越えて活動しているチームだからこそ、より多くの出来事が起こってくるんです。

荒牧:その話、すごく印象に残ってます。

平林:イエローカードにしても、レッドカードにしても、そのスポーツの中でさまざまなプレイが起こりうると想定されているからルールとしてそれらが定まっているのであって、予想もできないようなこれまでにない初めての危険なプレーが起こったときにレッドカード等で処罰を議論する、という話ではないわけです。カードをもらったからといって、やばい選手が出てきたな、罰を科さなきゃだめだ、というような話ではないんですよ。

荒牧:そういう話を聞かされて、僕自身、より考えが整理されましたね。その時にも思いましたが、僕が退場を怖がってプレーをしていたら相手からすると全く怖くない相手になってしまいますよね。

平林:チームのフォーカスポイントにもあったように、「常に脅威を持ってプレーをする」ことを念頭においていたわけですから、日頃からそこを意識してリーダー自らが率先して体現しに行くことは重要ですね。自分たちよりも良い環境で活動している相手チームに、選手間の経験や年齢の格差が大きいなど様々なハンディキャップを持ったチームが挑戦していくためには、とても重要なマインドです。

荒牧:そういうマインドを教えてもらったことで、戦いの駆け引きが自分のプレーヤーとしての特徴の一つだということが明確になりましたね。バルドラール浦安でのシーズンでは、他にも高橋健介監督が戦術的な仕掛けをすごくしてくれて、そのおかげでそれに対する自分の対応力も磨かれましたし、ゲームの捉え方、リーグの捉え方、フットボールの捉え方をしっかり整理できるようになりました。
その結果、オーシャンカップでの準優勝や全日本選手権でのベスト4という成績を残せたので、「強いチーム作り」という点で見てもその効果が現れていたと思います。今年に至ってはそれをさらに強く感じましたね。
環境の大きな変化はありましたが、トータルで考えた時にプロの選手として、また1年キャリアを積むことが出来て幸せだったなと思っています。

平林:そういう時は得てして結果もついてくると思います。

荒牧:そうなってほしいですね。
マインドセットを学んだおかげで以前と比べると捉え方もすごく変わってきたので、今ではいろんなことに対して変に心配になったりもしなくなりました。
それは、やることも明確になっているし、今やらなきゃいけないことも理解出来るし、客観的に問題点には気づくし、次の試合に向かってどんなアクションを起こしてどういうマインドで臨まなければならないのか全て「分かっている」からなんです。

平林:次、次、次、とアクションを探して次に向かう感じになるんですよね。

荒牧:そうですね。
マインドセットに関しては、バルドラール浦安でのシーズン中盤に、ある試合に勝った際のチームの様子を見て平林さんが、「どうしてシーズンの途中で何かを成し遂げた気になっているんだ?どうしてちょっと勝ったくらいで相手を下に見て自分たちが強いかのような振る舞いになるんだ?」と仰っていたことも印象に残っていて、やっぱり弱いチームってそういう風になりがちじゃないですか。チームにそういうブレがあったから、「もう一回謙虚にやろう」という話もして頂きましたよね。

 

自らのリーダー像と、これから

平林:そういう話もたくさんしましたね。
当時、星翔太選手と荒牧選手の2人体制でのリーダー制にしていて、似ているようで全くかぶらないキャラで、仲が良いという感じではなく、お互いのキャラを尊重しながら、双方とも片方に染まることもなく、一人一人の存在がよく立っていたと思います。

その2人のリーダーを中心に、それまでのフットサル界ではやっていなかったリーダーズミーティングやプレーヤーズミーティングを新しくやってみたり、みんな少し嫌がっていましたが、フィットネステストを導入してみたりもしましたね。それらの試みは選手経験が豊富なリーダーにとっては、フィジカルクオリティなんかは当たり前の話だし、メンテナンスにも時間と労力をかけるのは当たり前のことだけど、若い選手たちにとっては不安で、慣れてないことをやることやセレクションまがいみたいなことに対するいろんな感情もあったはずだと思っています。
でもこれって、強いキャラの立ったリーダーがいないと、指導者と選手との対立構造になり得る部分なので、本当に2人のリーダーは強いチームに向かうためには重要な存在だったと思います。

荒牧:僕と翔太に共通しているのは「やれって言われたらやるしかないから」という強い意志ですね。そこにはお互い変に感情や価値観を持ち込んでいなかったです。その強い意志があるので、普段から自分には監督等に対する愚痴とかが他の選手から入ってくることもなかったです。自分に言ってきても逆に「監督はこういう意図でやっているんだから」と諭されてしまうのがわかっているので(笑)。
色んなリーダー像があると思いますが、寄り添うのか、強くいるのかとかって分かれるじゃないですか。
特に今のヴォスクオーレ仙台では、僕はプロ選手としてのあり方や姿を見せて、どんなマインドセット臨んでいて、どんな風に日常を送っているのか、というのを若い選手に示す立場だと思っているので、変に手を差し伸べて降りて行かないようにしています。

平林:過去にキャプテンを務めたことはあったんですか?

荒牧:中学校でキャプテン、高校で副キャプテン、大学ではリーダーの一人でしたね。
ですがアマチュアの頃のキャプテンって、要は上手いヤツがやれよとか、ちゃんと喋れるヤツがやれよとか、その程度のきっかけで務めることが多いので、プロになってからのキャプテンとは比べられない別物でした。
プロでのキャプテンはやはり、指導者の言っていることをより選手たちにきちんと伝達するとか、そういう仲介役の役割が大きいと思っています。
でも、例え自分がキャプテンではなかったとしても、だからと言って何も言わないとかはないんです。
誰かがキャプテンマークを巻いて出ないといけないルールがあるだけで、今日は自分がキャプテンじゃないから思ったことを言わないとか、自分の中ではそういうのは全くないんです。

平林:新シーズンが始まりますが、楽しみですね。

荒牧:昨年移籍した時は、やっぱり様子を見るのに半年くらいかかったんですが、今年はもう感じが分かったので、1シーズンでやることをもう決めて始められるので楽しみです。そういうのが気づけたのは、マインドセットや色んなことを教わったことで整理されて、自分の中で明確になったということが本当に大きいです。

平林:まだまだフットサルも発展途上ですから、環境もどんどん変わるでしょうけど、これからもしっかりそこに対応していきましょう。今後の活躍を期待しています!

荒牧:ありがとうございます。色々と仙台という地域への還元も含めてチャレンジして行きます!

(2019年3月下旬 取材)

 

荒牧太郎 選手 関連情報

■所属チーム:ヴォスクオーレ仙台

・ヴォスクオーレ仙台HP:http://www.voscuore.co.jp/

 

■ブランドアンバサダーを務める「ミズノ株式会社」

・ミズノ株式会社HP:https://www.mizuno.jp/

 

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「平林泰三のラグビー部屋」は、スポーツインテリジェンス溢れる選手を育成するために、そして勝ち続けるラグビーチームを創るためにスタートした、ラグビーの最前線で活躍する選手と指導者に限定した完全招待・承認制の「ラグビー専門のオンラインサロン」です。プロコーチ兼コーチングプログラム開発者として活動する平林が、オンラインサロンを通じて、様々なノウハウを提供します。

■オンラインサロン紹介

■荒牧選手によるコメント

 

 

平林泰三 プロフィール

・名前:平林 泰三(ひらばやしたいぞう)
・生年月日:1975年4月24日
・血液型:AB
・出身地:宮崎県

2005年にアジア人初となるフルタイム(プロ)レフリーとなり、世界中で活躍し、数百試合でレフリーを務め、2007年には『Newsweek』誌において、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。
ラグビー日本代表のバックルームスタッフとしてゲームやレフリー分析などに尽力し、2015年のラグビーW杯イングランド大会で繰り広げた強豪チーム・南アフリカ代表との一戦での劇的勝利にも貢献。
現在は各スポーツ団体に対し、新しいコーチングプログラム「ゲームアウェアネスプログラム」の開発・指導を行っています。

2018年10月1日より当社とマネジメント契約を締結

 

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