ゲームアウェアネスプログラム対談Vol.6は、プロラグビーチーム・クボタスピアーズで活躍する立川理道選手との対談です。ゲームアウェアネスプログラムに含まれる規律の文化作り・ゲーム理解・ゲームマネジメントなどについてインタビューします。

本日の対談:クボタスピアーズ キャプテン 立川理道

平林:今回はプロラグビーチーム、クボタスピアーズで平成最後のキャプテンを務める立川理道選手との対談です。どうぞ宜しくお願いします!

立川:宜しくお願いします!

平林:早速ですが、チームの現在の状況はどうですか?

立川:フラン監督が来て今年で3年になりますが、結果もついてみんなの自信も付いてきたので今シーズンのチーム状態はすごく良いですね。

平林:今シーズンのクボタスピアーズは、しぶとく勝ってきているなという印象です。

立川:そうですね。今までは負けていた接戦の試合を、今年はわりとモノにできているので結果も残せたという感じですね。

平林:粘り強さがチームに出てきたという感じでしょうか。

立川:そうだと思います。今までは、前半の入りが悪くてズルズル負けてしまっていたようなところを、しっかりと盛り返して勝っていくという事が出来てきました。

ラグビー日本代表で得たもの

平林:立川選手との出会いは、日本代表チームで2012年から2015年ラグビーワールドカップに向けて共に戦ったのがきっかけでしたが、日本代表の活動の中で自分の成長ぶりや何か感じたことはありましたか?

立川:日本代表の活動の中では、やはり精神的に強くなりました。もちろん、フィジカルの部分でもインターナショナルレベルを求められる環境でしたので、自分自身が世界と戦える十分な準備をさせてもらえた4年間でした。

平林:その活動期間中には、途中で海外のチームにチャレンジされた時期もあり、立川選手自身の視野がグッと広がってラグビー選手としてのフィールドも広がった4年間だったと思います。ラグビー全体の推移として、選手の身体が巨大化し、スピードが上がり、テクニックもどんどん増えていき、そしてゲームも複雑になって来ている状況があると思いますが、そこに追いつけということだけではなく、どういう風に現代ラグビーに対応して行かなければならないと思いますか?

立川:私は天理大学を卒業してすぐに日本代表に選んでもらったのもあり、最初は身体がインターナショナルレベルに全然追いついていなかったんです。エディさんやS&C(ストレングス&コンディショニング)のコーチはそのあたりに厳しかったのですが、インターナショナルレベルという基準には1〜2年ではやはり追いつかなくて、3〜4年かけてピークに持って行きました。そこが一番の成長でしたね。ラグビーの部分ではテクニックに自信がありましたが、すごく強度が高いレベルの試合でそれを出せるようにするためには、日々のハードワークが重要でした。なのでそういうところは、毎日毎日ハードワークをすることで対応して行かなければならないと思います。

平林:やはりエディさんは世界でも有数の百戦錬磨の名将と呼ばれるだけあり、とても細かく、求めるレベルも高いし、エディさんのやろうとする戦術ってめちゃくちゃ複雑じゃないですか。

立川:そうですよね。

平林:エディさん本人はシンプルにラグビーをやっているつもりだと言いますが、戦術のプレーブックなんかも分厚いし、サインプレーひとつにしても選手に求める精度のアングルだったりスピードやテンポの調整だったりはすごく細かく決められていて、細かく約束事があるラグビーをやっていましたよね。そこを理解していくことに関しては、大変でしたか?

立川:大変でした。そこは自分だけではなく、チームとしても苦労した部分でしたね。それを4年間でしっかりと積み上げていって、結果を出したという形でした。そこを理解して頭と身体で実践するために膨大な練習量が必要で、4年間という時間がかかったという感じですね。

 

ゲームアウェアネスプログラムで得た「気付き」

平林:立川選手とは、ゲームアウェアネスプログラムの中の「規律の文化作り」「ゲーム理解」「ゲームマネジメント」の部分について共に取り組みましたが、このプログラムが必要だと感じた理由は何でしょうか?

立川:一番は、そこの部分がゲームの勝敗に影響すると思っていたからですね。もう2年も前ですが、そういった部分が影響して勝てそうな試合を落としてしまうことが多かったんです。そういうところに関してはリーダー陣の理解が少なかったと思いますし、他のメンバーはもっと理解が低かったと思います。そんな状態だったので平林さんに来て頂き、リーダー陣に落とし込んでもらうことで枝分かれのようにチームへ浸透して行く、ということが当時のチームには必要なことだと思っていました。

平林:最初はまず、規律のコンセプトについての取り組みを行いましたね。今となっては全国の中学生や高校生まで、試合中に「ディシプリン!ディシプリン!(規律!規律!)」と言っているくらいに広がっていますが、日本代表の中でも規律をチーム作りの大きな柱の一つにして取り組んでいました。その規律のコンセプトを知識としてシェアさせてもらいましたが、そこで何か気づきはありましたか?

立川:自分もそう思っていたことなのですが、それまでは一番に“ルールを守る”ということに縛られていました。単純に規律を守ろうとするとそういう解釈になるのですが、プログラムを通して「プレーの中でどこを意識するかによって規律のレベルが変わって来る」ということに気づけたので、それは大きなポイントでしたね。

平林:良い気づきのポイントですね。
インターナショナルレベルを意識した上で、現状の試合状況で相手と大きく差をつける部分を挙げるとすると、「ゲーム理解力・状況判断能力」が挙げられると思います。どれだけテクニックやパワー、スピードを持っていたとしても、結局は状況判断を誤るとゲームを落としてしまう局面が多くあると思うんですよね。そうならないために、ゲームの理解力や状況判断能力というのはハイパフォーマンスレベルではとても大事になってくると思います。立川選手は特にキャプテンという立場で、ポジション的にもゲームをコントロールする役割があると思いますが、ゲーム理解力・ゲームマネジメントの部分で何か意識していることはありますか?

立川:やはりその状況を正しく把握して、その時に一番良い選択が出来るようにするということですね。自分だけではなく他のリーダーも同じで、そこに対してコミュニケーションを取ってチーム全体が同じイメージを持てるようにするという事はとても意識していますね。

 

“レフリー”を意識したゲーム理解・ゲームマネジメント

平林:キャプテンとして、ゲームの中で影響力を持つ“レフリー”というポジションに対してはどうアプローチをしていますか?

立川:まずはレフリーに対してしっかりとコミュニケーションを取れるタイミングや言い方などを考えて、レフリーの性格もある程度頭に入れてコミュニケーションを取っていくことは意識していますね。

平林:ゲームマネジメントとしてレフリーとのコミュニケーション対策を取り始めて、何か実感はありましたか?

立川:前もって相手や自分たちのプレーの特徴を先にレフリーに伝えておくというようなことは、今まで自分たちはあまり出来ていなかった部分でしたが、そういった部分をレフリーとのコミュニケーションの中で伝えていくようにすることでそのレフリーが相手のペナルティを取ってくれたりすると、「うまくレフリーとの効果的なコミュニケーションが取れたな」と感じましたね。

平林:そのようにプレーの予測が効いて、ゲームを理解する力をもっていないとキャプテンにはなれないですよね。

立川:そうですね。

平林ゲームアウェアネスプログラムのような、ゲーム理解力やゲームマネジメント能力を高めるプログラムはなかなか無いと思いますが、大学生や高校生の育成レベルにおいてこのプログラムは大事な事だと思いますか?

立川:私自身もキャプテンになる前は、そこに関して深く考えたことがありませんでしたが、すごく大事なことなのでその部分を早い段階で知って学べる機会があれば、必ず成長につながると思うので経験してほしいですね。

平林:こういう部分は試合の中でしか経験出来ないことが多く、今日やったから明日出来るみたいな、そんな1日や2日で出来るようになるものではないですよね。

立川:本当にその通りで、時間がかかるものだと思います。自分の実感としても教えてもらってすぐに出来たわけでは無かったですし、何回もレフリーに吹いてもらってそこからちょっとずつ、ちょっとずつ、良くなって経験になってくるのだと思います。

平林:そういうゲームマネジメント能力を持っているか持っていないかは本当に大きいと思いますね。今シーズンに関してはラスト1プレーで勝った試合が2試合ありましたし、その部分の成長はクボタスピアーズが良い成績を残した中でも大きなポイントですね。

 

子供たちへのメッセージ

平林:最後に、プロ選手として子供たちに伝えたいことはありますか?

立川:ラグビーだけじゃなく、スポーツというのは人間の成長にとってもすごく良いものだし、スポーツで世の中も豊かになると思いますから、ゲーム理解力を高めることなどもを含めて「スポーツ」というものをより楽しんで欲しいと思います。特に子供たちには外に出てスポーツを楽しんでもらいたいですね。私としてはラグビーをやってくれたら一番嬉しいので、是非スタジアムに来て私たちのプレーを観てください。

平林:ありがとうございました。良いゲームマネジメント力の備わったリーダーとして頑張って下さい。

立川:ありがとうございます。頑張ります!

(2018年11月上旬 取材)

 

平林泰三 プロフィール

・名前:平林 泰三(ひらばやしたいぞう)
・生年月日:1975年4月24日
・血液型:AB
・出身地:宮崎県

2005年にアジア人初となるフルタイム(プロ)レフリーとなり、世界中で活躍し、数百試合でレフリーを務め、2007年には『Newsweek』誌において、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。
ラグビー日本代表のバックルームスタッフとしてゲームやレフリー分析などに尽力し、2015年のラグビーW杯イングランド大会で繰り広げた強豪チーム・南アフリカ代表との一戦での劇的勝利にも貢献。
現在は各スポーツ団体に対し、新しいコーチングプログラム「ゲームアウェアネスプログラム」の開発・指導を行っています。

2018年10月1日より当社とマネジメント契約を締結

 

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