ゲームアウェアネスプログラム対談Vol.5は、大阪にあるスポーツ強豪校・興國高校ラグビー部の伊藤矢一監督との対談です。チームの現状とこれからチームにゲームアウェアネスプログラムを導入していく上でのプログラムにかける期待などについてインタビューします。

本日の対談:興國高校(大阪) ラグビー部監督 伊藤矢一

平林:今回は、大阪にある男子私立高校で新たな学校の試みとしてゲームアウェアネスプログラムを取り入れて行く興國高校ラグビー部監督 伊藤矢一先生との対談です。宜しくお願いします。

伊藤:宜しくお願いします。

チーム現状とゲームアウェアネスプログラムへの期待

平林:早速ですが、興國高校とはどんな学校でしょうか?

伊藤:大阪に残る数少ない男子校で、生徒数は今2300人くらいです。多くのコースを設定していて、京都大学に現役で行く生徒、高卒で公務員になる生徒、在学時からプログラミングなどを学び、ゲーム会社で儲けている生徒などバリエーション豊富です。特にスポーツには力を入れていて、野球部の監督は元ロッテの喜多先生、ボクシング、陸上競技、バスケットボール、バレーボールなども経験豊富な教員がそろっています。特にフットボール系、サッカーとラグビーには力を入れていて、このゲームアウェアネスプログラムにはぴったりな学校だと思います(笑)。スタッフの充実はもちろんですが、研修旅行としてサッカー部はスペイン・バルセロナへ、ラグビー部はイングランド・ドバイに行きます。

平林:すごいですね!若い段階から本物を目の当たりにするというのは大事だと思います。それでは本題ですが、今のラグビー部の状況はどのような感じでしょうか?

伊藤:今の選手たちはまだ、ラグビーに対してしっかりと向き合うことが苦手な子たちが多い気がしています。今は新チームになって、まだラグビーにより深く取り組めていない選手たちが少しずつ変わってきているところですね。チーム内でそれぞれの考え方の差が大きく、チーム全体としては長期的なスパンで色々なことを考えられていないです。目の前に簡単な得が見えていたり、今週試合で来週も試合というような状況が続けばめちゃくちゃ頑張るのですが、今から1年後の全国大会予選を見据えて頑張って行けるのかというと言うとそうではない状況ですね。

平林:なるほど。今の子どもたちは「インタラクティブ(相互作用)」になって来ているので、そこはこれから色んなアプローチを選手たちにしてあげて、それぞれの選手たちに合った進め方をして行けると良いですね。その分、コーチはハードワークしないといけませんが…。

伊藤:ハードワークですし、選手と向き合うミーティングを多くやって行きたいと思っています。今年の選手たちは能力はあると思うのですが、うまく自分たちを発揮できない選手がいるんです。そこに対処する引き出しが多く欲しいなと思いますね。

平林:チームの現状把握がしっかり出来ているので、ぜひこれからはゲームアウェアネスプログラムの中にある多くのコンテンツを取り入れて頂きたいです。

伊藤:このプログラムをうまく活用していきたいですね。

平林:矢一先生は、指導者になる以前もラグビーにおいてエリートレベルでずっと活動されていたので、今の指導者という立場ではこれまでのご自身の経験から得たいろんなエッセンスを混在させつつ、エリートではない選手たちもいる中でしっかりとしたチーム作りをしていく事に価値があると思います。

伊藤:私自身、ユース年代のジャパンのコーチングスタッフを務めさせていただいた経験があり、そこではとても良い経験を多くさせて頂けましたが、その経験を全部今のチームに落とせるかというと難しいと思っているので、このチームに合った指導方法でチームを強化していきたいと思います。

「オフフィールド」の活動を「オンフィールド」のパフォーマンスへ

平林:やっぱり矢一先生は、面倒見がいいですよね(笑)。矢一先生がまだ大学生で、レフリーをされ始めた頃からの長い付き合いになりますが、自分だけでは無く他の先生たちにもとても親しみを持って接していたのをすごく覚えています。ラグビー部の白いバンでいつでもどこでもフットワーク軽く多くの学生仲間たちを世話していて、とてもエネルギッシュなイメージなのですが、そのままずっと変わらないで精力的に活動されていると思います。

伊藤:そんなことないですよ(笑)。
でも、筑波大学に在籍していた時に怪我もあって主務をやった経験も生きているのかもしれません。泰三さんに筑波の天然芝グラウンドのこけら落としのゲームに来てもらったのもいい思い出です。自分自身のいろんな経験ができたことが指導者になっても役に立っています。ずっと順風満帆な選手生活を送っていたら今の自分はないと思います。怪我をして腐った経験の方が今では役に立っています。なので、生徒たちにはラグビーだけではなく、進学した後や社会に出た時に組織でしっかりと自分の人間性を出せるよう育てて行きたいという気持ちが強いので、地域貢献を積極的にやっていて、今でも毎年、地域の餅つき大会に年末になると3週間連続とかで呼んでもらえています(笑)。最近はその場でラグビークリニックなども行っています。

平林:そういう活動は良いですね。
今後、ゲームアウェアネスプログラムを活用して戦略的にチームをオペレーションして行く際に、まずは自分たちのアイデンティティの再確認をしていくところから始まるのですが、そこから「将来自分たちはどうなりたいのか」「どういう文化にしていきたいのか」ということを、よく選手たちとコミュニケーションを取って考えていってほしいです。

そしてそれを考えていく時に、興國高校の場合は学校創設90年以上という素晴らしい歴史があります。この歴史は強みになるので、長く受け継がれてきた伝統の強みを持ってやりたいことを決めていき、1年間にどういうことがどれだけ出来るかをプラン立てていってほしいですね。この部分はもちろん私が具体的にサポート出来ますので、少しずつ一緒に取り組んで行きましょう。

伊藤:ありがとうございます。難しい分野ですね。

平林:難しいですね。あまり現存に無い考え方なので、日本のスポーツ界に欠けている部分や誤解されている部分をゲームアウェアネスプログラムには組み込んでいます。
プログラムの中で大事にしている「オンフィールドとオフフィールドの相互作用」という考え方があるのですが、その中でもオフフィールドが非常に大事なことなんです。この「オフフィールドが大事」という発想が多くのチームには無いですし、今、興國高校でされているような地域貢献活動という「オフフィールド」の活動もオンフィールドパフォーマンスに変えて行くことが出来ます。

伊藤:この考え方をしていくと全てにつながりが持てるんですね。

平林:特にゲームアウェアネスプログラムを導入してうまくいっているチームの例を挙げると、試合が終わった後には試合の振り返りが簡素化出来ています。ゲームを細かくレビューしたりスタッツを細かくつけたりということを一切しなくなり、その代わりにゲームの準備や仕込みを多くやっています。その結果先生たちも時間の拘束や作業が減り、すごく楽になります。現代ラグビーは本当にやることがたくさんありますが、子どもたちには高校3年間のうちに現代ラグビーの色んなことに触れてもらい、今後もプレーヤーとして大学に進学する選手は特に、大学に入ってからの成長の伸びしろを引き上げるための基礎をこの高校生活の中で身につけていれば、それは彼らにとって自分の幸せなことにつながると思います。

伊藤:そうですね。興國高校ではあまり締め付けがないので、大学に入ってからは伸びるタイプの選手たちが多いと思います。強制をせずに素材として次につなげるイメージを持っています。

平林:これからも期待していますので、頑張って下さい。

伊藤:ありがとうございます!頑張ります。

(2018年10月下旬 取材)

 

 

平林泰三 プロフィール

・名前:平林 泰三(ひらばやしたいぞう)
・生年月日:1975年4月24日
・血液型:AB
・出身地:宮崎県

2005年にアジア人初となるフルタイム(プロ)レフリーとなり、世界中で活躍し、数百試合でレフリーを務め、2007年には『Newsweek』誌において、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。
ラグビー日本代表のバックルームスタッフとしてゲームやレフリー分析などに尽力し、2015年のラグビーW杯イングランド大会で繰り広げた強豪チーム・南アフリカ代表との一戦での劇的勝利にも貢献。
現在は各スポーツ団体に対し、新しいコーチングプログラム「ゲームアウェアネスプログラム」の開発・指導を行っています。

2018年10月1日より当社とマネジメント契約を締結

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