本日の対談:ラグビー日本代表 山田章仁

 平林:今回は、日本ラグビー界の誇るトライゲッター、現役日本代表でパナソニック ワイルドナイツ所属の山田章仁選手との対談です。よろしくお願いします。

山田:よろしくお願いします!

平林:私が2007年から2015年のラグビーワールドカップまで日本代表にコーチングスタッフという形で関わってきて、その中で山田選手は、日本人でおそらく1番と言って良いほどのフィニッシャーだと思います。

山田:ありがとうございます!

世界を意識した「チーム作り・ラグビー選手」へ

平林:私が代表チームの中で特に関わっていたのは、「レフリーとルール対策」の部分、「規律の文化作り」をしていくという部分に力を入れて取り組んでいました。
その中で「規律」に関して、オン・オフフィールドでたくさんの事があったと思いますが、何か自分自身での気づきや変化はありましたか?

山田:世界と戦うにあたってチームのスタンダードもそうですが、自分のスタンダードを世界に合わせなければいけないな、という話は平林さんの就任当初からされていましたし、チームミーティングでもいつもそれを意識していました。みんなの意識を合わせる上で、平林さんがやってくれていたデータ分析も僕らがしっかり納得できる材料になっていましたし、そういった面で常に世界を意識したチーム作り・ラグビー選手になるということに取り組んでいました。

平林:では当時の活動の中で“プロラグビー選手・山田章仁”として、転換期と言いますか、自分の人生にインパクトを与えたような出来事はありますか?

山田:トレーニングを数値化して可視化していたので、世界の選手と比べて自分がどの位置にいるか分かりやすかったですね。あとは、自分自身もメンバーに入ることに必死だったので、いわゆるメンタル的な部分で自分自身を追い込んで行き、周りからも追い込まれ、その状況下でパフォーマンスを発揮出来るようになるかや、自分をどうアピールしていくかなどに挑戦していました。ただ失敗もありましたし、色んな経験をして階段を一つ一つ上がって行けた月日でしたね。

平林:私の感覚として、2013年くらいから2015年にかけて、山田選手の身体が1.3倍くらい大きくなったように感じたのですが、自分でもそれは感じていましたか?

山田:ありましたね。当時は、エディさんが求めるラグビーの「ウイング」というのはしっかりボールキャリーしていかないといけませんでしたし、能力を上げないといけなかったんです。いつもその時何が自分に必要なのかをコーチに聞いて、その課題を一つ一つクリアして行く中で、自分の身体のサイズアップやスピードアップの変化というのは数値にも出てきていたし、平林さんが見て分かったように、その頃は周りから見てもはっきり身体が大きくなっていましたね。

激闘の2015年ラグビーワールドカップを終えて

平林:2015年の大きなイベントであるラグビーワールドカップが終わって、山田選手は次に何を目指しましたか?

山田:私はもともと大学を卒業してすぐにプロ選手としてキャリアをスタートしたので、周りと比べるとスタートが早かったんです。私がプロを始めた最初頃もそうですが、僕が小さい頃には“ラグビー選手”という職業があまり成り立っていなかったので、周りに言う時に恥ずかしい思いとかちょっとバカにされたりしていた中で、私がプロになった時には、しっかりとラグビー選手の価値を上げて行きたいなという思いが強かったです。

もうちょっと柔らかく言うと、「子どもに夢を持ってもらいたい」という思いでプロ選手をやらせてもらっています。そういう中で、2015年に大きなイベントが終わっただけで、私の中ではそんなに大きく変化は無かったんです。よりラグビー選手の価値を高めるために、大きな種を蒔けたワールドカップだったと思うので、また今後もより大きくして行きたいなと思いましたね。

平林:なるほど。いま、“プロ選手として”という言葉がありましたが、ラグビー界の中では「山田章仁」と聞けば、純粋なプロ選手であるイメージを私はかなり強く持っていて、1度も企業スポーツや、いわゆる社会人ラグビーというイメージがない。そこに対して何か意識はしていますか?

山田:もともと高校から大学へと学生生活を送って来た中で、色んな刀を腰につけて来たんです。勉学ももちろんそうで色んな科目だったり、ラグビーだったり、他のスポーツだったり、学生の時なので色んな刀をつけていました。
でも「さぁ、これから何をして勝負しましょうか」と戦いに行こうとした時に、一番斬れる刀で勝負したかったんです。

と言うのも、そうなれば他に言いわけが出来ず、その一番斬れる刀で勝負しにいって負けたら自分の実力ですし、勝った時にはその刀と自分のスキルが高い証明になる。
そういう人生を送りたくて、高校の時には仲間を多く作ったし、大学の時はよりグローバルな人間になりたいという思いでSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)に行かせてもらって、予想した通りに世界から色んな経験をした学生が来ていたり、ラグビーはもちろんですが色々な経験をすることが出来ました。

SFCのラグビー部のみんなは、就職して様々なところで活躍する方々が多いので、私もラグビー選手として胸を張って歩けるようになりたいと思って活動していることがそういう印象になってくるのかなと思います。

平林:プロ選手としては突出していると思うのですが、いつぐらいから自分の適性に気づいて、いつぐらいから「俺、行けるかも」と確信に変わって来たのでしょうか?

山田:そうですね、今は自信を持って「ラグビー選手です」と言わせてもらっています。ちょっとスパンは長いですけど、2015年ワールドカップに向かうまでのエディさんとの4年間で自分は成長出来たし、自信もつけることが出来ました。この日とか、この時というのは無いですが、あの期間は私自身も勉強になった期間でした。

「ビジョントレーニング」は能力を高める重要な選択

平林:2016年のリオオリンピックに向けた日本代表最終合宿の際に、「ビジョントレーニング」という、目のアセスメントを行いましたが、その時に何か気づきはありましたか?

山田:今までやったことがなかったので驚きましたね。身体を鍛えるのは普段から好きでしたが、目からでも自分を鍛えることが出来るんだということが新鮮だったので、また是非やりたいなという気持ちが強いです。

平林:己をもともと良く知っているレベルの選手が、そういう新しいものにチャレンジしてもらって、自分の身体が「あ、こういうことなんだ」とまた再確認してもらうということが一番のステップです。
あとは日頃、所属チームでもロビー・ディーンズさんの元ですごくクオリティの高い練習をしているので、その中で意識してもらうことで自分の自浄作用でセルフトレーニング出来る力が増幅しますね。

山田:アップデートされていきますね。

平林:プログラムも増えて深くなっているので、知識を上乗せして、インテリジェンスの高い新しい“山田章仁”へとステップアップできるようにまた是非試してみてください。このゲームアウェアネスプログラムは年齢が関係ないので、今の素晴らしい経験値に乗せてまたブラッシュアップ出来たらなと思います。

山田:ビジョントレーニングという今までやったことのないことをやるというのは、最初は不安ですけど一歩踏み込みさえすれば、そしてコツさえ掴めば、そこの能力は上がると思います。能力が上がってくればラグビー選手としての総合力は上がると思いますし、今まで使って来なかった能力やトレーニング方法は、積極的に使って行きたいと思いますね。

平林:日本代表という強度の高い中で、しかもフィジカルにもメンタルにもストレスがかかった上でやるスポーツですから、やはり空間認知力や視野の広さでスペースを見つけて行くのは大事ですね。

山田:そういうのは直接ラグビーにつながっていますね。

日本代表・山田章仁が目指す今後

平林:今後はどのような展望を考えていますか?

山田:より世界を見据えてやって行きたいですね。世界のスタンダードの中で、自分を活かせていけるかはチャレンジし続けたいですね。
あとは学生の時から、「グローバルに活躍したい」という思いを持っているので、それを実現させるだけですね。今はラグビー選手としてとても充実していますが、残りのラグビー選手の人生も、その後の人生も充実させたいです。

平林:今後ともみんなが期待していることを、是非、良い形でくつがえしてもらって、ゲームにインパクトを与えて、またラグビー界の次のステップに引き上げる第一人者として期待しています。

山田:ありがとうございます。頑張ります!

(2018年11月上旬 取材)

 

関連情報

■山田章仁選手着用の衣装提供:UNDER ARMOUR
https://www.underarmour.co.jp/ja-jp/

 

■平林泰三着用の衣装提供:カンタベリーオブニュージーランドジャパン
https://www.goldwin.co.jp/canterbury/

 

平林泰三 プロフィール

・名前:平林 泰三(ひらばやしたいぞう)
・生年月日:1975年4月24日
・血液型:AB
・出身地:宮崎県

2005年にアジア人初となるフルタイム(プロ)レフリーとなり、世界中で活躍し、数百試合でレフリーを務め、2007年には『Newsweek』誌において、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。
ラグビー日本代表のバックルームスタッフとしてゲームやレフリー分析などに尽力し、2015年のラグビーW杯イングランド大会で繰り広げた強豪チーム・南アフリカ代表との一戦での劇的勝利にも貢献。
現在は各スポーツ団体に対し、新しいコーチングプログラム「ゲームアウェアネスプログラム」の開発・指導を行っています。

2018年10月1日より当社とマネジメント契約を締結

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