ゲームアウェアネスプログラム対談Vol.1は、日本バスケットボール協会理事で江戸川大学女子バスケットボール部の監督でもある守屋志保さんとゲームアウェアネスプログラムの導入メリットについてインタビューします。

本日の対談:日本バスケットボール協会理事 守屋志保

平林:この対談企画の記念すべき最初のお相手は、日本バスケットボール協会理事で江戸川大学女子バスケットボール部の監督兼部長をされている守屋志保さんです。今日はよろしくお願いします。

守屋:よろしくお願いします。

平林:早速ですが、関東大学リーグ戦始まっていますが、今は何節目ですか?

守屋:今、3節終わって、6試合終了しました。今のところは、全部勝ってます(笑)。

平林:何試合か僕も観に行かせて頂いていて、チームがしっかり作られて来ている感じがするのですが、監督としてはどうですか?

守屋:例年になく出来は良いと言うか、マネジメントもちょっと苦労はしているんですけど、上手くまとまって来ている気はします。

平林:僕がチームを見ていると、良い意味で選手達が「デコボコ感」が多い、そういうチームだなぁと、よそのチームと比べても思うのですが、監督としてはチーム作りについて何かイメージが元々あるのでしょうか?

守屋:昔、あまりにも怒りすぎて、(チームを)均一化してしまって失敗したことがあるんです。なので今は、選手ひとりひとりの個性をどうやって引き出すかということを意識して、ある程度違っていてもそれを認める、ただダメなものはダメと言って、メリハリをつけてコーチングするようにしています。

 

海外と日本の違い。ゲームアウェアネスプログラム導入のキッカケとは?

海外と日本のコーチングの違い

平林:ではコーチングについて、守屋さんが以前活動されていたオーストラリアで行われているコーチングと日本でのバスケットボール協会を含めて推奨されているコーチングの違いというのは何か感じますか?

守屋:オーストラリアでは選手からするとコーチは“先生”という感覚ではなくて、「共になにかを創り上げる仲間」のような関係なんです。でもコーチには責任があって、信頼がなければ選手は言うことも聞かないし、やっぱり偉くなければならないので、その関係は「友達関係」とは違うものなんです。

先生が怖いから言うことを聞くではなくて、スキルや人間的にその人が優秀だから言うことを聞く、だからこっちも頑張らなければならない、そういう図式は日本でもやって行かなければならないと思っています。

ゲームアウェアネスプログラム導入のキッカケ

平林:なるほど。ではチーム作りに関して、ゲームアウェアネスプログラムを導入するキッカケと今後どういう風にチームの課題を克服していきたいかを教えて頂けますか。

守屋:元々自分は有名な選手でもトップの選手でもありませんでしたが、選手時代に悩んでいたことがたくさんあって、「上手くなるために何をしたら良いか」を考えた末にスポーツ心理学の勉強を始めたんです。

そして早稲田大学の大学院で博士号を取り、「なにを研究しよう?」と考えた時に、まず「頭(インテリジェンス)を使いこなしてプレイできない選手は上手くならないだろう」という考えが自分のベースにありました。でも「選手たちが本当に頭を使いこなせていないか?」と考えると、「日頃から頭を使いこなす習慣がないから使い方がわからない。だから日々、頭を使ってインテリジェンスを高めていけばバスケットボール選手はもっと上手くなるはずだ」と思ったので、「情動知能(Emotional Intelligence Quotient)」の研究を始めたんです。

私の願いとしては、トップのアスリートは感情的な部分知的な部分の両方を持っていて欲しいという考えがベースにあるので、そういう教育をしていきたいと思いました。
ずっとバスケットボールだけをやってきた選手たちに考えることを放棄させてしまうと、その人たちの将来や就職に繋がっていかないし、バスケットボールだけで生きていくのは難しいので、バスケットボール以外の何を身につけるかを考えると、ゲームアウェアネスプログラムの知的なアプローチを含めて色んな経験を積めるのであれば、それをさせてあげたいなと思っています。

 

ゲームアウェアネスプログラムで変化してきたこと

平林:ゲームアウェアネスのプログラムではテクニカルな話や戦略的な話、コーチングメソッドやマインドセットなど様々な要素がありますが、一番チームにとって必要だなと思うものはありますか?

守屋:ハイパフォーマンスに関して頭が良くなることですね。
勝利至上主義を否定して人を育てるというのはちょっと違うと思っていて、勝つためになにかをやり始めた時にみんなは協力するし、頭を使うので、勝たなくて良いということはない、という根本を持って指導者をしています。

平林:ゲームアウェアネスプログラムをチームに導入して変わって来ていることなど、何か変化を実感していることはありますか?

守屋:変化といいますか、私が一番良い思いをしているのではないかなと思います。
まだ選手たちは導入して1ヶ月ちょっとなので、自分たちにどんな作用が起きているのかが選手自身まだ分かっていない段階だと思います。

ただ、私が言いたいことを、別の言葉で平林さんが述べてくれていて、選手を擁護するようなことを平林さんが言わない、一緒に育てている感覚の中で言葉を発してくれているので、例えば私が怒ったとしても、それを別の言葉で伝えてくれる。結局、私と平林さんの目的は一緒なんだなということが自分にとって良くわかるので、選手に与える影響はこれから分かるのかなと思います。

選手が言葉を理解し始めた

平林:今まで、マインドセットを段階を経てやってきましたが、なにかその中で印象的なことはありますか?

守屋:選手が良く言葉を理解し始めているんだなと感じるようになってきました。最近のミーティングの時でも、意見を求めた時に照れなく発言できるようになってきたと思います。言葉に出来るというのは多分心に残っていくから、そこはみんな成長してるなと思いますね。

平林:そうですよね。一番最初の頃と比べると、今日の(ミーティングで)、例えば「じゃあ、1分半、お互いで話して」って言ったときも、結構話すようになってきましたよね。

守屋:そこらへんは練習なんでしょうね。
「謙虚さ」のマインドセットは、タイムリーに自分たちが勝っていた時にしたので、その勝ってる中で、自分は「まだまだだぞ。」って言っているんだけど、まだその本当の意味は本当に落ちた時にしか分からない。おごりになると、練習の強度が低くなって、落ちてくるケースが出てくるんですけど、それが無かったので、やっぱり波はあるけれども、そのあたりで自分でパフォーマンスを落とすということは無かったのでそこは良かったですね。

平林:先週なんて特にそうで、2点差で厳しい状況の中、みんなの思考がエアポケットみたいになるところで我慢強さ、粘り強さが出たっていう感じですよね。それも今日選手たちと話をすると、少し実感があるような感じでしたよね。粘り強く自分たちで乗り切ったという。

守屋:そうですね。

 

ゲームアウェアネスプログラム=“頭”と“心”と“身体”の合致

平林:守屋さんが考えるゲームアウェアネスプログラムについて、知的にスポーツをするということはどういう事でしょうか?

守屋:知的という事がなにを表すのか、自分もいつも考えるんですけど、私は心理学の方なので感情も「知的」ということに含まれるんですよね。そうすると、知識をただ溜め込んで勉強が出来るというのとは違うところが、スポーツって高度なものなんですよ。だからスポーツをやる人こそ頭を使わなきゃいけないって思っているので、知的なものと感情的なものが混ざって、それを動いている中や、瞬時の判断の中で利用していくということですかね。

平林:“頭”と“心”と“身体”が合致していく、ということですね。

守屋:そうですね。なので普通に勉強している人たちよりも、とっても難しい作業を身体の中で行わなければいけない。だからこそ、そういういろんな教育が必要なのかなと思います。

平林:最後に、バスケットボール界での今後の展望はありますか?

守屋:一生懸命ハードワークをするのはその時しかできないから、選手たちからそれを上手く引き出せるような指導者になって、スポーツってやっぱりこうでなければいけない、ハードワークしなければいけない、それで成果を得た時のこの喜びはそこまでしないと出来ないぞっていうことを伝えられるようにしたいです。

平林:ゲームアウェアネスプログラムを導入したバスケットボール界の1番目のチームとして、バスケットボール界になにか改革を起こして下さることを期待しています。
良い代表選手を育てて、良いプロ選手を育てて、普及と育成もしっかりと頭を使ったバスケットボールをする、考えるバスケットボールをするというところで広がっていくと良いですね。

守屋:そうですね。

(2018年10月上旬 取材)

バスケットボールの今後の予定

・男子W杯アジア予選11月
・Bリーグ開幕済み
・女子WBJリーグは10月末から開幕

平林泰三 プロフィール

・名前:平林 泰三(ひらばやしたいぞう)
・生年月日:1975年4月24日
・血液型:AB
・出身地:宮崎県

2005年にアジア人初となるフルタイム(プロ)レフリーとなり、世界中で活躍し、数百試合でレフリーを務め、2007年には『Newsweek』誌において、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されました。
ラグビー日本代表のバックルームスタッフとしてゲームやレフリー分析などに尽力し、2015年のラグビーW杯イングランド大会で繰り広げた強豪チーム・南アフリカ代表との一戦での劇的勝利にも貢献。
現在は各スポーツ団体に対し、新しいコーチングプログラム「ゲームアウェアネスプログラム」の開発・指導を行っています。

2018年10月1日より当社とマネジメント契約を締結

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